「帰ってきた息子」

神戸で一人暮らしを始めた息子が
3週間ぶりに帰ってきた。


久しぶりに見るわが子に
母親の鋭い目がキラリと光る


痩せてはいないか、顔色はどうか、
身なりは整っているか・・・


以前となにも変わることなく、
外見はさりげなくおしゃれにきまっている。


一番気になるのは食事。
手抜きでろくなものを食べていないのでは、
と思いつつ詳しく聞いてみると・・・
すごくしっかりやっているのに驚いた


息子曰く、「自分で作ると本当に安上がり。」
ご飯も炊き、メニューもなかなか豊富で、
ハンバーグも自分で作り、余れば冷凍。
カレーの余りはカレーうどんなど、
食材を腐らすことなどないそうだ。
朝ごはんからいろいろなバリエーションで楽しんでいるみたい
近所のスーパーには閉店間際に行って
大安売りの食材を購入。


部屋も常にきちんと整頓されていて、
どこに何があるかすぐ分かる状態。


洗濯も週2〜3回で、ため過ぎることが無い。


大学の授業は一時間目からしっかり出席。


話を聞きながら私は「偉いね、偉いね」を数限りなく連発、
私より余程しっかり「主婦」しているではないか!


そこで恐る恐る聞いてみる
「一人暮らししたら、親の有難みが分かるって言うけど、
うちの場合は、いかに母が手抜きしてるかバレちゃったかなあ」


息子は慰めるように言った
「まあ、おかんの場合仕事してっからなあ・・・」


うう、バレバレではないか。


なんだか恥ずかしくなって息子が自分の部屋に行ったスキに
急に家の掃除を始めた。


普段ぜんぜんやる気がしないのに
がぜんパワーが湧いてきた。


これからも時々息子に帰って来てもらえば
我が家はキレイになる。


「負うた子に教えられ」とはこの事である。