良寛さんの逸話

今日はアースデイで、奈良公園で沢山のボランティア団体
が集まってブースやステージなどの企画があった。
私は今年は参加できなかったが、今日の雨がとても残念で
悪天候でどれほどの影響があったかと思う。


今日、私はフローラムで「焼きそば」の練習。
29日の「まちづくりフェスタ」で焼きそば屋を出店する
が、なにしろ家庭で作るのとは違って200人分作る、
一度に10人分焼くので要領とコツを覚える為の練習。


本番でうまくいくといいのだけれど・・・


焼きそば屋は、緑地整備ボランティア「宝の里」の出店。


また「宝の里」は間伐材をつかって、とても素敵な
モニュメントを作成している。
場所は生駒駅とアントレ近鉄の間の広場で、小さな森の
中で戯れる鹿、リス、猿、狐、鳥、蛇などの様子が見事
に表現されている。蜘蛛の巣まであって、その芸の
細かさには驚くばかり。木のぬくもりと手作りの温かさ
が伝わってくる。


是非とも多くの人に見てもらいたい、きっとお子さんは
喜ぶと思う。


さて、何故か心に残る話というものは誰にでも一つや
二つあるとは思うが、
私は良寛さんのこの逸話がその一つ。


禅僧の良寛さんは仏教組織に属せず、生活費は書画を
作成してどうにか食べていく質素な暮らしだった。
貧しい身なりの良寛さんだったが、彼が発する言葉は
ほめたり、感謝したりの良い言葉だったので多くの
人が癒され、多くの人から彼は愛された。


しかし、評判のいい良寛さんを妬む者もいてその中に
川の渡し舟の船頭がいた。
ある日一人で舟に乗ってきた良寛さんを、舟をわざと
揺すらして川の中に落とした。良寛さんは泳げないと
いうことを知っていてのひどい仕打ちだ。


良寛さんは必死にもがいて沈みかけた時に、船頭は
もう良かろうと良寛さんを引き上げる。
そして、良寛さんが何を言うか楽しみに待っていた。


普通なら「このヤロー、なんてひどいことしやがんだ!
この人でなし!」と罵倒するところ・・・


なんと良寛さんは「助けてくださってありがとう、
あなたは命の恩人だ」と深々と感謝したのだ。


そこで船頭は目が覚めた、自分はなんと愚かだろう。
良寛さんは自分が突き落としたことを知っているのに
助けたことに感謝してくれる。
本当にこの人は優しく、尊い人なのだ。


普通は突き落とされた恨みの感情が爆発する、
普通じゃない良寛さんのこの逸話が心に残る。


良寛さんは「今」という瞬間しか見ていない、
突き落とした済んだ過去よりも助けてくれた「今」
に感謝しているのだ。


他者を判断する時、過去の姿(それも大抵嫌な思い出)
とからめて今の姿を見ることが多いけど、それも
場合によっては、少し考え直さないといけないのかもしれない。