「98パーセントショック」

一般質問で生活保護世帯への夏季一時給付金復活を求める話があった。
一世帯2千円で総額70万円である。


この夏の猛暑では、もはやクーラーはぜいたく品ではなく、
部屋にいても熱中症になる暑さでは体調維持の必需品である、
高騰する電気代のせめてもの足しであろう。


質問者の切なる訴えに市長も理解は示しつつ、
申し訳なさそうにしながらも、良い回答では無かった。


そんなあ、総額70万ぐらいなんとかならんか、
と感じたひとも多いと思う。


しかし、市長が厳しい財政状態の一端を示した数字に驚いた、
経常収支比率98パーセント!
思わず我が耳を疑った。もうすぐ100パーセントではないか。


経常収支比率というのは自治体の財政状態を判断する基準のひとつで、
自治体のエンゲル係数のようなもの。
この数値が高くなればなるほど、自由に使えるお金が少なくなることを意味する。
市では80パーセントが望ましいとされている。


生駒市はH16が92.1%・H17が94,6%そしてH18が98パーセント。
つまり、人件費や扶助費、交際費などの義務的必要経費のやりくりで
きゅうきゅうとした余裕のない経済状態で、
とても新規事業に取り組む体力が無いとみてとれる。


なぜここまで、悪化したか。
人件費の中でも退職金の増加。児童手当などの扶助費の増加。
公債費(借金返済費)の増加。
あと、下水繰り出し金の計算方法?の変更
が原因らしい。


それで市長も70万の出費に躊躇したのか・・・・


でも今から病院を建てようって言うのに、
なんという心もとない財政状態であろう、


生駒市は病院を建てるどころか、金欠病で(それもかなり重度)
病院に入院せねばならない。


でも救いは、生駒市は実質公債費比率がまだまだ低いこと。
実質公債費比率とは、自治体収入に対する借金返済額の比率。
18%以上になると、自治体は国や県の許可なしでは借金できない。
生駒市は10、6%(18年)。まだ余裕あり。


(こんな大雑把な分析で判断するのも不安)


なんとなく生駒は財政が豊かというイメージがあるが、
実際は厳しい。


奈良県下では優等生の生駒市でこの有様であるから、
よその自治体では惨憺たる状態なんだろう。