警察官はつらいよ

議員になってから地元の大阪府警OBの方々からも
お声がかかるようになった。


私の警察在職期間は7年余りと短期間であったが
その間の印象は強烈であった。
たった6ヶ月間ではあるが、警察学校の寮で暮らした
同期の婦人警官仲間との交流会は今も続き
「同じ釜の飯を食った仲間」としての共有感がある。
思えば警察学校時代はやる気も覇気も薄い劣等生だった私
それが一発奮起して議員になったことは
周囲には奇異なことにうつったであろう、
当時の担任女性教官からは、
あなたにそんな適正があろうとは、よもや想像もつかなかったと
感想をいただいた。
警察退職後始めた環境活動が議員活動につながるわけであるが、
人生は分からないものである。


それまで全然知らなかった人でも大阪府警OBともなれば
ただそれだけで、親近感を覚える。
それは警察官にしか分からない苦労が共感できるからだ
(たった7年余りの在職で生意気言うようですが)
先ず警察学校の厳しい訓練生活をくぐり抜けてきたこと、
そして現場に出ては3K職(きつい、きたない、危険)
であることを思い知らされる。


事件、事故現場が警察の仕事、数々の死体との遭遇。
変死体のなかでも腐乱死体となるともう筆舌に尽くしがたい、
幸い私は腐乱死体との遭遇は無く、皆比較的新しかったので
腐臭の経験は無いが話しに聞くとそれはもう・・・
すっかり虫の巣窟と化している。
検分のため瞳孔や口の中を調べたり、もう逃げたくなるような光景。


沸かしぱなっしのお風呂で長時間つかっていた死体
交通事故でばらばらになった体を拾い集める作業
私はそれほどの惨状の経験はないが、
駆けつけた現場で歯がぼろぼろで全身黒ずんだ若い女性の
薬物による変死体を見たことはある。


慣れてしまって凄惨な現場の話をしながら食事をする豪傑もいるようだが、
やはり大半の人にとっては、
一瞬後ずさりしたくなるようなひどい場面である。
警察官はそんな社会の底辺、影の部分を請け負っているのだ。
なかなか誰にでもできる仕事ではない、
(うちの息子じゃまあ無理)
相当な覚悟がないと勤まらない。


私は相当な覚悟もなく、好奇心からはいったので
(婦警の制服がスチュワーデスの制服に似ていたとか・・)
やはりといおうか長続きしなかった。


時々警察官の不祥事が取り沙汰されるが、残念なことである。
警察官を志した当初は皆、高き理想に燃えていたであろうに・・


なかなか表では語られることの無い警察官の苦労がある。