障害者就労支援セミナーに参加して

障害者自立支援法が施行され、地域の実情に応じた
障害福祉サービスの具体的実施が求められることになった。
奈良市では「奈良市地域自立支援協議会」が設置され、
運営委員会と7つの部会で構成されている。


そのうちの一つ「就労支援部会」による取り組みが紹介された。
複数の施設の連携により、今まで単独の施設では
請けることのができなかった大きな仕事でも
長期間継続的に受注できることが実証できた。


登大路地下道清掃作業には5つの障害者の作業所が参加し、
清掃作業もきっちりやり遂げると共に
挨拶運動も行い市民にも評判であるとのこと。


一般的に障害のある人は真面目で休まない、
覚えるのに時間はかかるが、覚えると手抜きはしないし
心がきれいと、作業提供事業者からの報告もあった。


作業従事者からは、最初は挨拶できなかったが
だんだん大きな声で言えるようになったとか
仕事することによって自信がつき、やりがいも感じるとの
感想があった。


障害があっても適切なサポートがあれば、
社会を支える一員として力は発揮できる。


勿論そのサポートには多くの人のかかわりが必要であるが
サポートする人も、障害者を教え手助けするという
一方的に与える立場だけではなく、
きっと反対に障害者とのかかわりのなかで学んだり癒されたり、
得るものがあるのだと思う。


個人的な就労支援の実例も紹介された。
本人は軽度知的障害、両親も弟も軽度の知的障害、祖母は認知症
本人の2児も配偶者も軽度知的障害というなんとも大変な状況で
ここまでくると、就労よりも先ず生活支援ということで
10箇所の組織がかかわって生活の安定を図り
就労にまでいたった話には、関係者の尽力に頭が下がる。


障害のある人を支え、就労にまで至るというのは
大変なことではあるが、働くことによる彼らの自信の笑顔や
彼らの社会貢献振りを見ると、本当に必要なことであると思う。