映画「日本の青空」

日本国憲法誕生の真相を描いた映画の上映会が、
本日南コミュニティセンターで開かれた。
地味な映画であるにもかかわらず、会場は満員。
立ち見も出るほどであった。
上映時間は2時間で結構長かったが、
退屈することなく最後まで集中してみれた。
映画終了後、休憩をはさんで映画監督の講演もあったが
ほとんどの観客が残って
最後まで監督の話に熱心に耳を傾けていた。


私は此の時期、3月議会のことで頭がいっぱいだが、
なんとなくこれは見ておかねばという気がして行った。
見て良かった。新たな事実が分かった。


安倍前首相が改憲の一般的理由付けとして、
「いかに中身が素晴らしいものであっても、
制定過程にはこだわらざるおえない」
「私達の手で新しい憲法を創っていくことが必要である」
とあたかもGHQによって押し付けられた憲法であるかのごとく発言していた。


ところが実は敗戦後「憲法研究会」が鈴木安蔵を中心に結成され、
憲法草案要綱が作成されていたのだ、
GHQで憲法作成に関わっていたラウエル中佐に高い評価をうけ、
この憲法草案要綱を下敷きにして、
現行の日本国憲法が制定されていく過程が詳細に描き出されていた。
特に印象に残ったのが憲法9条。
最初、鈴木は軍事条項のところは空白のままだった
それは二度と戦争は起こすまいという願いをこめた意思表示だった。
GHQもこの軍事条項のところを空白のままにすることに躊躇があった、
そこで、当時の幣原首相の戦争への深い反省の意を汲み取って
憲法9条=戦争放棄の条項が出来上がったのだ。



今まで私は日本国憲法は内容が優れているのだから、
その成立過程については問う必要がないとは思っていたが、
此の映画で、実は成立過程においても
日本人が大きな役割を果たしていたと分かって
益々、日本国憲法を堅持する自信を深めた。
戦争放棄こそ世界中の国が目指す理想である。