精神障害者退院促進事業

NHK教育テレビ「きらっと生きる」で
40年間社会的入院を余儀なくされていた
統合失調症の男性が退院して、
地域で暮らす様子が放映されていた。


彼は25歳の時、統合失調症を発病して入院、
5年で症状が落ち着ついたが
両親が死亡して帰る場所が無くなり
以来、入院治療の必要がないにもかかわらず
40年間もの長きに渡ってずーっと精神病院で暮らした。


病院での生活は食べて寝るだけで
楽しみといえばラジオで野球を聞く事、
テレビは病院に一台だけで時間も制限されており
あまり楽しめなかったという
食事もベッドで、友人もなかった。
一度入院してしまえば、ほとんどの人が出られない。


平成15年政府は「精神障害者の退院促進事業」を始め
彼もその事業の対象者となって2年2ヶ月の間
地域活動支援センターや自立支援員からのサポートを受けて
訓練をし、
今は精神障害者のためのグループホームで暮らしている。


病院では味わえなかった仲間との食事、
調理実習、外出、買い物、など当たり前の生活が
かけがえなく楽しいという。


病院にいたころは表情も乏しく、不安だらけで
長期の入院生活が彼から全ての自信を奪っていた、
今こうやってサポートを受けながら地域で生活し始めて
やっと人間らしい楽しみや意欲が
彼の中に芽生えてきたようだ。


奈良県でも「退院促進事業」を開始してから4年
現在までの退院者13名。皆、地域で支援を受けながら
平穏に暮らしておられる。


生駒市ではまだ退院者を受け入れる体制ができていない。