迷子

連休も終わり、また日常の日々が始まる。


テレビでは行楽地での迷い児を映し出していた。
不安げに親を待つ子供の表情、
息せききって駆けつける親、
やっと対面して親にしがみつく子供
張り詰めた緊張が緩んで、涙涙の笑顔だ。
迷子対策に入り口でカードに氏名を記して
札をつける方式の所もあったが、
そのカードを親が記名している間に迷子になる子もいて
いやはや、迷子の花盛りである。


我が家は連休中も息子帰らず、
娘も友人との付き合いで不在、
ただ亭主と二人。(面白無い)


テレビを見ながら子供が幼いころの家族団らんを思い出す。
よく子供をつれて行楽地に行ったものだ。
うちの子も良く迷子になった、
息子は今じゃ石橋をたたいても渡らないビビリンチョだが
小さいときはとてつもない腕白で、
外出すれば親の手を振り切って走り去り、
慌てふためいて探す親の姿を、
そっと隠れて見て楽しんでいるようなトンでもないヤツで、
シバイても懲りないで繰り返す。


娘は息子ほどひどくは無かったが、
2歳の時、近所のスーパーで見失い探しまわったが、
見つからず、その時の恐怖感たるや体が震えるほどだった、
もし最悪の事態だったら自分も死んでいたと思うぐらい
胸が詰まりそうだった。
亭主が急に思いついたように自宅に戻ると
娘は一人で帰って、近所の児と遊んでいた事が分かり
私はへなへなとその場にへたりこんで泣いてしまった。


息子も2歳の時、私が電話をしている間に家を飛び出して
近所の家に上がりこんでいたので、
なかなか見つからず、その家の人からやっと知らせが来て
そこの玄関先で遊ぶ息子を見て、また大泣きした。


子供が迷子になった思いでがテレビを見ていて、
懐かしくよみがえる。
どこの家庭でもある平凡だけど忘れがたい出来事だ。


当の本人達はなーんにも覚えてなくて迷子はおろか
あれほど連れて行った遊園地も動物園も覚えていない、
結局、親の楽しみと思い出のために出かけたみたいなものだ。


いろいろあったけど、家族は子供が小さい内が華やねー。


娘と息子に告ぐ「いろいろ楽しませてくれて有難う」
母はとても幸せでした。