四川大地震と自殺について

ここのところ連日ミャンマーのサイクロンや
四川大地震の被害が報道されている。
見るたびに死者の数が増え被害が拡大していく。


特にミャンマーの軍事政権の対応は悪く、
事態の深刻さに拍車をかける。
外国の救援活動を受け入れず、
救援物資が被害者にゆきわたらず闇市横流しされていたり、
孤児たちが人身売買のブローカーに狙われたりして
国としての最低限の義務も果たせていない。


中国は遅ればせながら外国の救援活動も受け入れ、
特に日本については一番最初に関われたお陰で
対日感情がとても改善されるという思わぬうれしい副産物がついた、
生存者が一人も救出できなかったのが残念だが、
遺体に敬意を払う礼儀正しさが、またイメージアップとなった。
救援活動隊は撤収したが替わりに医療救援隊が派遣されたので
さらなる活躍を期待したい。
日中の新しい友好的な感情が芽生えるきっかけとなってほしい。


両方の災害地では感染症の拡大が懸念される、


中国では土砂崩れでせき止められた地震湖が決壊する恐れがあり、
かなり強い余震でさらに建物の崩壊、土砂崩れが発生する。
まだまだ被害の拡大はとどまる所知らずだ。


思い返せば中国は今年に入ってから苦難の連続だ
年明けそうそう大寒波と豪雪にみまわれ100名あまりが死亡し
都市機能が相当期間マヒした。


つぎが毒餃子事件で中国食品の信頼が失墜


チベット自治区での騒乱で聖火リレーが各地で混乱


そして今回のマグニチュード8の大地震


この苦難のなかで北京オリンピックが本当に開催できるのだろうか。


私は衣食住の保証された環境でこれらの悲惨なニュースを見ている、
でも、この快適な暮らしがこれからも保障されるとは限らない。
日本だって5月に台風が来たり、
一日のうちでも暑さ寒さが極端だったり、豪雨に見舞われたり
なんか自然というか地球全体が変わり目にきているいうか
なんか変だ。そのうち日本も大型台風や地震や竜巻や豪雨やらで
大騒ぎになるんじゃなかろうか・・・


そんなことを思えば生きて普通に暮らせているだけでもありがたい。



ところで先日の毎日新聞によれば
「自殺願望が成人の2割、6割一人で悩む」記事があった。


内閣府が16日に発表した「自殺対策に関する意識調査」で
成人男女の19パーセントが本気で自殺を考えた経験があり、
自殺を考えた時に相談した事がない人が60パーセントで
一人で悩むケースが多い事が分かった。
(しかしこの調査は1808人からの回答を元にしており、
調査の対象数が少ないのではないかという気もする。)


一年前の別の報告書では自殺願望が一割弱だったことから
心理的閉塞感がだんだん深くなってきたのではないかという懸念はある。


衣食住に事欠き内乱や自然災害で生きるだけでも大変な地域の人々は、
自ら命を絶とうなどとは滅多に考えない、
むしろどうやって今日一日を生きながら得るか、
必死の努力と工夫に励むだろう、ここでは「生きる事」が
最重要課題となるからだ。


ある程度の衣食住が満たされてくると、
今度は心理的な空虚感、葛藤が人を苦しめる。


日本は毎年3万人以上が自殺する、
人口比率でいくと確かアメリカの2倍、
イギリスの3倍だったと思う。
世界のなかでは恵まれた方の日本が何故こんなに多いのだろう。


かくいう私も若いころかなり強い自殺願望があった。
婦警になりたてのころ赴任先の上司のK係長の狡猾さが許せなくて、
反抗的な態度をとり、それが元でいろいろいじめられた。
今から思えば若気の至りで、
青臭い正義感を振り回していただけなのだが、
そこはまだ社会人一年生で全く融通が利かなかったのだ。
私は恨みつらみですっかり気が変になり、
ホームにはいってくる電車を見ては「今、飛び込んだら楽になる」
なんてことをしょっちゅう考えるようになった。
誰にも相談しなかったがさすがに家人が気が付いて
これから絶対出勤するなと止められて、
あれほどいやいやながら行っていた職場を放棄した。


そのあと事態が一転して、くだんのK係長が軟化して
私も担当の仕事が変わって、だんだん落ち着いていった。


自殺を「考える」と「実行する」とでは天と地ほどの差がある。
私は長い人生誰でも一度は「死にたい」と
思うことがあっても当然だと思っていたが、
ちなみに周囲の人に聞いてみると
「考えたこともない」という人ばかりで、
私が変わっているのかと内心驚いたことがある。


自殺するぐらいだったらやめたらいいのに、とか
誰かに相談したらいいのにとか、普通であれば当然のことが
考えられなくなってしまい、
ただ「死ぬこと」ばかりにフォーカスしてしまう。
自分ではなかなか穴から這い上がって来れない、
周囲の人の気配りや声がけが大切だ。


またこの職場での一件で、「人を恨んだり憎んだりする事は
自分自身を苦しめることになる。」ということがよく分かった、
こちらがどんなに相手を憎んでも、憎き相手はへっちゃら、
痛くも痒くも無い。かえって悪しき想念が自分に返ってきて
自分を痛めつける、こんなアホらしいことはない。
まあ、気が変になるくらい悩んでやっと一つ学んだかな。


でも学んだつもりでも、
その後小さくは同様の体験を繰り返してきたから
性懲りの無い人間である。


「死にたい」願望が芽生えたら出来るだけ早いうちに
誰かに相談すること、遅くなると気が変になって
相談する気力さえなくなるから、
あと、ご飯が食べれる事や、生きてる事やとにかく
当然だと思ってきたことをあらためて見直して感謝すること、
「感謝」の力はスゴイです。心身の健康の大きな秘訣。