受任者集会

先ごろ5年ぶりの「旧高山住民投票の会」受任者集会があった。


「受任者」というのは責任をもって署名収集を行う人たちの事で、
受任者は5年前の8月暑いさなかに、
高山第2工区開発の是非を住民投票
決めて欲しいという請求を市議会に提出するために、
決められた一ヶ月間という期間の間、
駅頭や住宅街を署名簿を持って集め回った。


約1万5千という法定数(確か2000程度だったと思うが)より
はるかに多い署名を添えて議会に提出したが、
あえなく否決されてがっかりしたものだったが、
その後、市長選挙で会の代表である山下氏が当時の中本氏に圧勝し、
第2工区開発は白紙撤回、その後事業自体も中止になった。


高山第2工区はそのままの状態で残っていたが
手入れされない里山はだんだん荒れていき、
開発は免れても荒廃していって
緩慢な死を迎える里山の様相を呈し始めてきた。


これも問題でありその対応に乗り出す前に
山下市長は誘致を目的とした開発計画推進に方針転換をした。


山下市長に寄れば、財源確保や未開発地の自然保護・里山保全
いろいろ考えた上での今回の決断ではあったが、
それでも当時の「高山住民投票の会」の会員には唐突な出来事で、
理解できない裏切られた思いを持った人もあったであろう。


何よりもこの一連の方針転換の事情を、
直接山下市長から聞きたい、
説明責任を果たして欲しいとの声もあり
急遽、当時事務局をしていた有志で説明会を開く事になった。


受任者数は約600名、引越しやすでに脱会した人を除いて
郵送できたのが500名余りだった。
参加者は約30名、電話やファックスで意見を寄せられた方約10名。
40名程のかたが今回の呼びかけに反応されたが、
予想外の少なさに少々驚いた。


あの時はあんなに熱く燃えていたのに、
やっぱり5年も経つと関心も遠くなってしまうのだなーと
つくづく感じた。


又反応された方も全て方針転換に反対という意見ばかりでもなく、
賛成あるいは(山下市長の言い分を)理解しました
というのもあった。


とはいえ、やはり住民投票実現のために頑張った分、
会場からは厳しい意見が出され、中には市長ファンであろうか
責められている市長への同情で涙ぐむ人まであり、
これにも驚いた。


ところどころ会場は厳しい空気に包まれたが、
山下市長の説明がどれほど参加者を納得させたのか
判断がつかない、多分ものすごく個人差があるのではなかろうか。


理解されようとされまいと、5年前の市民運動とはいえ
当時山下氏のリーダーシップの元、頑張った仲間に対して
事後報告とはいえ直接、語ることは必要であったと思う。


しかし受任者にこういう形で呼びかけたことに対して
強い苦情も寄せられた、
多分今回の通知に不快感を感じられた方も多かったと思う。


そのことも予測していたがそれでもあえてお知らせしたかった、
受任者という熱心な協力者に対して格別な思いがあった。


おそらくもう二度とこのような会合を開く事はないだろう。
この最後の集まりをけじめとして、
私もとるべき方向を見定めたい。


開発は出来うる限り抑制して、
死につつある里山の再生事業を早急にスタートさせる方法はないか。