尊い死

こんな、こんな悲しいことがあろうか、
アフガニスタンで農業指導をしていたペシャワール会
伊藤和也さんが拉致されたうえ殺害された、
まだ31歳のこれからというという時に・・・


ペシャワール会は1984年より中村哲医師により結成され、
医療活動支援から始まり現地に病院や診療所を建設し
旱魃対策に井戸や水路建設、農業指導と
20年以上も現地の人々と共にアフガニスタン復興のために
尽力してきた。


中村哲医師は生駒市にも来られて、現地での医療や
井戸、用水路建設の映像を見ながら、
活動報告をしてくださった。
現地の人と同じ服を着て、共に汗をかきながらの重労働で
あの小柄な体のどこにこんなパワーがあるのだろうと
驚くばかりであった。
中村医師をはじめスタッフ全員が現地の人と溶け込んで、
なごやかな作業風景だった。
彼らはどんなにか現地の人々に愛され尊敬されていた事だろう。


伊藤さんが拉致された時も村人700名余りが
捜査に走り回ったという、
この悲しい結果に日本人だけではなく
村人もどんなにか落胆したであろうか。
タリバンが犯行声明を出したらしいが、
自国のために尽くしてくれた人たちに対して
よくもこのようなむごい仕打ちができるものだ。


ペシャワール会アフガニスタンでは最も堅実で地元の信頼も厚く、
よもや当会がこのような災難にあうとは思いもかけない事態となった。
他の支援組織もショックをうけて早速帰国する所も出てきた。


31歳で無念の死を遂げた伊藤さんの魂は
きっと天上界高く上っていったであろう。
長くは無い一生だったけど尊い生き方だった。