世界同時食料危機

昨日NHKで
「世界同時食料危機ーアメリカ頼みの食が破綻するー」
が放映されていた。


冒頭場面ではエジプトやエルサルバドル
食料を巡る激しい暴動場面が映し出されていた、
世界18カ国で同様の暴動が起こっているという。


食料危機の大きな原因は
・トウモロコシのバイオエタノール化で
 トウモロコシの23パーセントが燃料となっている。
・投機マネーの流入(ここのところは最高値の半分になっているが)
・中国の爆食
あとテレビでは上げられなかったが、
気候異変による農作物収穫量の減少もあると思う。


暴動が起こった国々では食品が2倍3倍の値上がりで
それでなくてもギリギリの生活ラインなので
こうした値上がりが命と健康を直撃する。


アメリカは世界最大の穀物輸出国で
トウモロコシの30パーセント、小麦の50パーセントが
アメリカ産だ。
アメリカは自国の穀物を世界に消費させる為の世界戦略を練った。
肉食(飼料に穀物を消費する)やパン食の普及に努めた。


日本でも第2次世界大戦後、給食にパンを取り入れて
成長期の子どもに食の刷り込みを行った。


エルサルバドルでは工業製品輸出と引き換えに
農業保護を止め市場開放したところ、いっせいに
米国産が流入し宣伝効果も相まって、
自国の農業が崩壊して自給できなくなった。
穀物が高騰した今、地方では栄養不足の子供達が増えている。
政府も自国農業の育成に乗り出してきたが、
一端崩壊した農業はなかなか取り戻せない。


アメリカは半世紀で海外の市場開拓に成功し、
対してアメリカが市場開拓した国の農業は崩壊した。


穀物が安いときはメリットもあった
安い飼料のお陰で、豊かな肉食も享受できた。


しかしひとたび食料危機となると売り手市場となり
高い値段で買ってくれるお客様しか相手にしなくなる。


かくしてアメリカの農家は大もうけ。


そして食料供給が逼迫すると各国はいとも簡単に
輸出規制に踏み切るということも分かった。
現在輸出規制しているのは15カ国で
コメ・大豆・トウモロコシ・小麦など。


こうなるとお金をだしても売ってくれないという事態になる。



日本は食糧自給率が40パーセント以下で先進国中最低。
お金で食料をいつまでも買い集められる保証はない。


まだお金で何とかなるこの間に、
自国の農業を育成する事が急務ではないか。


今の政治体制ではあまりにも取り組みが遅すぎると思う。