ある開業医の話

開業医をしている友人と最近話す機会があって、
生駒市の新病院設置問題について聞いてみた。


彼もこの件には関心をもっていて考えがある。
彼が言うのには医師会の力は強大であり、
医師会がこのように強く反対しているようでは99%
徳洲会を指定管理者とする新病院は出来ないと言う。


奈良県知事をもってしてもこの反対は乗り切れないだろう、
というから、医師会というのはそんなに大きな力があるものかと
今更ながら驚いた。


そして今の生駒市は開業医が多すぎるほどで、
患者の取り合い状態になっている。
彼自身、知り合いの医師から患者を回してくれと
頼まれたという。


不況感のせいか特にこの9月からは患者数が減少してきた。


こんな状態のところに徳洲会による病院ができれば
医療経営は大打撃をこうむるので、
それは反対するだろう。
それにしても医師会が今頃になって反対意思を明確にするのは
あまりにも、遅きに失するし疑問である。


というような事を言っていた。


しかし開業医が増えても小児科は以前のままだし、
入院といった二次医療はできないし、救急対応もできない。
開業医では追いつかないのだ。


あちらこちらの自治体で病院体制の不備が噴出している、
日本政府も今後、医師数を増やす予定であるが
いくら医師数を増やしても開業医に流れてしまえば、
問題解決にはならない。


勤務医が敬遠されるのは仕事が過酷なのに給与が低い、
といった理由がある。
開業医への流出を防ぐ為には、勤務医の待遇改善を急がねば、
病院をやめる医師は後を絶たないだろう。


ともあれ生駒市立病院の行方は一体どうなるのだろう、
生駒市としては万策つきるまで頑張ったと思う、
あとはやっぱり、知事の判断にゆだねるしかないと思う。


奈良県は市立病院について高い評価をつけていた、
そこから考えると、まだ一縷の希望はあるはずだ。