環境先進国 ドイツの試み

今日、図書会館でエコライフ主催、
講師 藤澤一夫氏による「環境先進国ドイツの試み」
の講座があった。


参加者は50名ほどいただろうか、
最新のドイツの環境事情をスライドを使って
分かりやすく解説。
スケールの大きなお話で未来に希望を見出せるような
気分になって心が弾んだ。


ドイツは人口が8000万人、日本は1億2000万人だから
日本よりも少々小ぶり。ともに第2次世界大戦の敗戦から
復興して立ち上がってきた国だ。


京都議定書で1990年を基準年として、
ドイツは2008年二酸化炭素マイナス23パーセント達成、
更に2020年にはマイナス40パーセントを目標としている。


日本は1990年比、減らすどころか逆に増えている
鳩山政権になって25パーセントマイナス目標を打ち出して
ようやく削減に対して積極的な姿勢を打ち出した。


温暖化抑制対策に必要なことは省エネとエネルギー源転換。
この二本柱があってこそ成功する。
ドイツは省エネを進めるために環境税制改革、
エネルギー源転換を進めるために再生可能エネルギー
(太陽・風力・バイオマス等)普及に努めた。


環境税は税収のほとんどを年金保険料に当てている
確か2兆円ほどだったと思うが・・


再生可能エネルギー普及促進策のひとつに
再生可能エネルギーによって創られた電力を一定価格
で買い取ることを電力業者に義務付ける制度がある。


この買取価格が高く特に太陽光発電によるものは高いので
飛躍的に太陽光発電が広まった。
風力やバイオマス発電もこの制度によって広まった。
2008年太陽光発電風力発電ともドイツは世界2位の発電量で、
目覚しいCO2削減を達成してきたのだ。


注目したいのはこの再生可能エネルギー事業の経済効果。
2004年1,6兆円から2008年3,7兆円の事業規模となり
雇用総数が2004年16万人から2008年28万人となったのだ。


我が国もCO2削減25パーセントを打ち出したのだから、
このドイツ方式を参考にしたらどうだろうか。


もうひとつ注目したいのが「脱原発
ドイツは商業用原子炉を新設しない。
現存する原発は所定の発電量に達したものから順次閉鎖する。
ドイツでは17基の原発が稼動しているが2022〜23年頃
姿を消す事になる。


日本は56基ほどの原発が稼動している。
鳩山政権は二酸化炭素抑制に効果ありとして原発推進姿勢を
示しているが、原発は建設から廃棄までトータルに見た場合、
発電時は二酸化炭素排出量が少ないとしても、
大変なCO2排出である。


おまけに放射性廃棄物の処理や閉鎖された原発の解体、
など解決困難な問題が山積だ。


新政権の原発推進姿勢、なんとかならないものか・・・


この点でもドイツを見習って欲しいものだ。