「宝の里」研修会

7日猛暑の中、私の所属するグリーンボランティア「宝の里」
の研修会が奈良公園で開催された。


グリーンあすなら(奈良巨樹・古木の会)のスタッフの方が
講師になって、奈良公園興福寺周辺の巨樹・巨木を学ぶ。


冒頭の挨拶で講師は、今年の夏の特徴としてセミが種類の別
なく一斉に鳴きだし、ヒグラシさえもう鳴いている。
急激な温度変化のため脱皮がうまくできないセミも多く、
今年は今までに無いような現象を見ることになるのではないか。
と何やら暗示めいた話からスタート。


総勢20名くらいが奈良公園をあちこち移動しながら、
素晴らしい巨木・巨樹・古木の数々を観察してまわった。
(巨木とは地面から1.3メートルの幹の太さが3メートル
以上、巨樹とは椿のように太くはならないが年代を重ねたもの)


奈良公園は樹齢100年〜200年の黒松が多い、生駒市には
赤松が植生しているがこれは赤松がヤセ地を好む為。
松葉は針のような葉が2本根元でくっついた形だが元々は
一本だったのが総面積を増やす為、2本に枝分かれした。


榎(えのき) 昔、参勤交代の一里塚の役目。
       巨木になって木陰ができるから。

イチョウ   生きた化石、成長が著しく遅い。
       2〜3億年生態を変えず。

ヤドリギ   榎に寄生しやすい、地面からは生えず種は
       鳥が運ぶ。

マテバシイ  大きなどんぐりの実

白樫     葉の裏が白い、一年ごとにどんぐり。

モミ     モミの下には他の植物が育たない、モミの葉に
       他の植物の成長を阻害する成分あり

イチイガシ  古い樹皮を自ら落としていき、一番の大木になる

その他センダン・ヤブツバキ・シデ・南京はぜ・コナラなどの
解説をしていただいた。
でもやはり私には見分けるのがなかなか難しいと思う。


古木の中には幹が空洞になっているものがあって、その傷口を
カバーするかのように樹皮が空洞に回りこんでいるのが印象的。


種が飛んでいきやすい形状になっていたり、巨木を支える為に
幹の水分を抜いて中心を固くしたり、樹皮を落ちやすくして
成長を促進したり、栄養状態でどんぐりの数を調整したり・・


樹木も生き抜くためにいろいろ智恵をめぐらして工夫している。
それにしても古木の前に立つと、敬虔な気持ちになるのは何故
だろう。長い年月を生き抜いた姿にうたれる。