生駒のモリ信仰

今日、生駒市景観形成基本計画策定委員会がコミュニティセンタ
ーであった。私はこの委員会にはほぼ毎回傍聴に参加している。


いつもなら本庁であるが、18・19日は節電の為一部の部署
を除いて市役所は休み。
全国的にも珍しい取り組みのため昨日から新聞やテレビでも
取上げられた、上手い具合に生駒市のピーアールにもなって
節電と宣伝で効果2倍、賢い取り組みだ。


今回の委員会はいつもとは違って、生駒民族会会長 今木氏
による講演会でテーマは「村の聖地 モリに宿るカミ」


魅力的な住宅都市に不可欠な要件はインフラ整備・
豊かな自然環境、そして地域の歴史と文化を大切にする心。


ということで、生駒の歴史と民間信仰の話をされた。

古代の生駒は文献上は「いこま」という字はいろいろな漢字
が用いられているが、すべて「山」・「高峯」が後に記され
ている「いこま山」「いこま高峯」
いこま=山という感じだったらしい。


中世 修験道の聖地、行基さんのお墓があり、有里が日本仏
教の中心地であった。


近世  湛海律師が生駒山宝山寺縁起の中で生駒山
神仏霊能の山と評している。


現代  大阪大学宗教社会学会は生駒山中に無数の行場、
宗教施設があることから「生駒は民間信仰の宝庫」
「4・6時中、不思議な霊気をかもし出す」と評価。


日本の民間信仰アニミズムであり八百万の神で、
カミは自然の中にあまねく偏在するもの。
ムラの聖地はモリであり、モリにはカミが宿る。
例えば三輪明神三輪山がご神体である。


生駒にも昔からのモリ信仰があり、先人達がモリのカミを
畏敬し厳しい禁避を守ってきた結果としてみどり豊かな景観
保全してこれた。


例えばモリの木を切ったりすれば、本人に災厄が及ぶ
ということが実際何度もあったようで、それで恐れおののいて
手が出せなくなってしまった。


しかし、それにもかかわらず急激な都市化の流れ、
開発によりモリが消滅してきた。実際調査した人の話によると
半分程に減ったそうだ。
モリを失うことは自然を大切にする豊かな心も失うことだ。


美しい景観を創設、保全するためには地域の歴史と文化を
大切にする心も育まなければならない。


今日のこの話を聞いて、生駒山や生駒の緑に神秘的な深みを
感じ取り、ますます「住んで良かった、生駒」という気もち
になった。


ともあれ、これ以上モリを失いたくは無い。