地域ネコ対策

2月8日(金)、市民ボランティア代表2名、阪口県議、私、
市役所担当者2名で生駒市の地域ネコ対策について話し合った。


「地域ネコ」とはまだまだ耳慣れない言葉であるが、この制度
は屋外で生活する飼い主不明ネコに不妊・去勢手術を施し、
トイレや餌やりの時間を決めて世話をするなど一定のルールに
従い、ネコを一代限りで飼育することで、みだりに殺処分するのでは
なく動物愛護精神に基づいた人道的方法で問題解決を図っていく
活動である。
世話はしていても屋外で暮らすネコの寿命は短く3〜5年くらいで、
命を全うする。


動物愛護と管理の法により、飼い主不明ネコであってもよそへ
捨てたり、虐待、衰弱、殺傷などの行為は法律に抵触する。


飼い猫を野良猫にしないことや、これ以上飼い主不明ネコを
増やさない目的のために地域ネコ計画があちこちの自治体で
取組まれている。


生駒市でも飼い主不明ネコの不妊手術に補助金を出したり、
広報で地域ネコの啓発記事を何回も掲載してきた。
奈良県生駒市のような取り組みをしているのは、平群町
王子町・大和郡山市といった所がある。


この活動に携わるボランティアさんの苦労といえば並大抵の
ものではない。
自身も既に自宅で多くのネコを飼育しておられるし、殺処分を
少しでも減らす為に飼い主不明ネコの不妊手術やその後の世話
に多忙である。
しかも手術費用の大半はボランティアの持ち出し。
ネコを捕獲したり病院まで連れて行ったり・・・
経済的にも時間的にも体力的にも大変な負担がかかる。


でも、そんなことよりもっとつらいのは周囲の無理解。


飼い主不明ネコを人道的な方法で減らす為に努力しているのに、
単なる餌やりと誤解されて、餌をやるから猫が増えると、
この地域ネコ活動を頭から否定されてボランティアに罵声を
浴びせる人々がいる。


避妊手術をしない限り、餌を与えなくてもネコはなんとか生き延びて
必ず2回以上は繁殖して(年に2回出産、1回で5匹くらい産む)
短い命を終える。


動物愛護法にのっとって、飼い主不明ネコを減らすにはこの「地域ネコ」
方式しか今はないのだ。


生駒市の今の補助金申請のシステムでは自治会長の印鑑が必須
となっている。自治会長が地域ネコに理解があればいいのだが、
なければ「なにもしないでくれ」ということになり、手術しないネコ
はまた沢山の子どもを生んで増えていく。


殺処分対象のネコが増えることが忍びないボランティアさんによっては、
まるまる自己負担で不妊手術を施すこともある。


自治会長の判断ひとつでボランティアの負担が変わる。


大和郡山市では50万円の補助金枠で、自治会長の印鑑も不要。
飼い主不明ネコに困っている自治会から、ボランティアに「地域ネコ」
対応の要望がくるという。
また、ボランティア自身が飼い主不明ネコを発見して不妊手術を施し
地域ネコ対応もしているが、トラブルはない。もし今後あったとしても
ボランティア団体で受けるいう気構えであるし、市役所も理解してくれ
ているようだ。


大和郡山市の「地域ネコ」対策について注目していきたい。


考えてみれば私の住む地域(生駒市辻町)でも以前は飼い主不明ネコ
が、数匹うろついていて庭先の糞尿の苦情が出ていたが、今は滅多に
お目にかかることがなくなってしまった。
(特にここ数年間は全く見ない)
事情を知らない私は自然淘汰されて、減少していったのかなと
思っていたが、この近辺でも地域ネコ活動をされてる方がおられて
その努力でいなくなったのだと初めて分かった。


人知れず、地域に貢献してくださる方のありがたさよ。