一般質問

3月議会での私の一般質問のテーマーは「動物愛護対策」について
ちょうど3年前の一般質問でも取上げていて2回目。


昨年秋、改正動物愛護管理法が公布された。
動物に対する殺傷、虐待などの罰則が以前よりも2倍重くなった。
そして動物取り扱い業者に対する規制が厳しくなり、動物の所有者
には動物の終生飼養の責務を追加し、自治体が犬や猫の引き取りを
拒否できることとした。


飼い主不明の犬猫について自治体は引き取りは拒否できないが、
譲渡するよう努力することとされている。


また付帯決議では、犬猫の引取りを減少して譲渡の機会を増やすこと、
飼い主不明猫の引き取りは原則として認められないが、やむおえ
ず引き取る際には譲渡するよう努めること。
地域猫対策を官民上げて推進すること・・・


など、殺処分を減らす為にかなり踏み込んだ内容となっている。


全国の犬猫殺処分数は前回取上げた数字から半分弱減少したが、
それでも約17万頭(平成23年度)

奈良県は約1800頭処分している。

奈良県は平成20年に動物愛護推進計画を策定していて、5年後
に殺処分を半分に最終目標は殺処分ゼロをとしている。

でも現実は計画が策定されただけで、大幅に殺処分を減らす
具体的方策は発動されていない、聞くところによると宇陀アニマ
ルパーク建設が先行したため計画遂行が遅れてしまったらしい。


この推進計画には動物愛護推進員や動物愛護推進協議会など、
かなり効果が期待できる取り組みが示されている。
担当者によればなんとか平成25年度中には上記の取り組みを
発動したいと話されていた。

もう遅れに遅れているのだから一日も早い実現化を望む。


今回再度取上げたのは、法律が改正されて規制が厳しくなった
ことや「地域猫」が国の方でも推奨されたこともあるが、
一番の理由は生駒市内で頑張っている動物愛護ボランティア
のために少しでも力になりたかったから。


生駒市の動物愛護対策は奈良県では一番進んでいると思う、
だけど、その上で今一度検討してもらいたいことがあるのだ。

生駒市は平成21年度から飼い主不明猫に対して不妊手術の
補助金行っている。
奈良県でこの取り組みを行っている自治体は少なく、生駒市
は先進的でありがたいと思う。


ただ補助金の申請手続きが以前より随分簡略化されたとはいえ、
とても難しいところがあるのだ。
飼い主不明猫に不妊手術をし、地域猫として管理していくのに
当該地域の自治会長の承諾印がいる。


理解のある自治会長だとなんの苦労もないが、そうでない
自治会長に当たると、拒絶される。
ボランティアの説明も聞かず、頭から拒否。
取り付く島もない。


地域猫については広報でも記事を年一度は掲載しているし、
自治会長の手引きにも掲載してあるらしいし、自治会長対象
の説明会でも地域猫について触れることもあると聞いている
が、残念ながら伝わっていない。


自治会長の承諾については地域でのトラブル防止の意味も
あるのかもしれないが、補助金をあきらめてボランティア
が独自で不妊手術をして地域猫活動するケースもすごく多い
のであるが問題はないそうだ。


つまり自治会長の承諾なくても地域猫活動には支障はなさそう、
ということ。


地域猫を早くから取り入れて不妊手術助成を大々的に行って
いる先進的自治体には、全く申請要件に自治会が関与して
いない所もけっこうある。
要するに、手続きが簡単なのだ。
なかには申請者に手術後の問題発生については全て申請者が
責任を負いますと一筆書かせる所とか、自治体に登録した個人
や組織のみ申請できるシステムをとるところもある。


いずれにしても、生駒方式よりも簡略である。


それでは地域住民の理解を得るという地域猫の趣旨に合わない
ではないかと言われるかもしれないが、ボランティアは地域猫
活動をする前にチラシを近隣に配って、活動内容を紹介し反対
意見が出るのを待ち、なければ活動を開始するという方法を
取り出した。


反対されたことは無くて、中には捕獲を手伝う人や
ボランティアをねぎらう人がいてくださるという。
これも地域住民の理解を得る方法の一つだ。


世の中いろいろなボランティア活動があるが、一番労多くして
あまり報われない(評価されない)のがこの地域猫活動。
猫の捕獲から始まって、病院の送迎、不妊手術費用の負担、
数年に渡る猫の世話。それだけならまだしも、単なる餌やりと
混同されて罵倒される(これが一番しんどい)
経済的にも体力的にも精神的にも大変なこと。


この人たちは地域猫だけでなく自宅でも猫を飼養していて
少ない人で5匹、多い人では27匹も飼養している。


23年度、ボランティアでの飼い主不明猫の取り扱い件数は
約130頭。
もし、この130頭が放置されたままだと、半数がメス猫として
年間10匹ほどの子ねこを産むから、スゴイ数の猫が増えることに
なる。猫は繁殖力が強いので不妊手術をしない限り数回は
繁殖して沢山の子を残す。
ボランティアは飼い主不明猫の増加を未然に防いでくれているのだ。


以前は私の町内でも猫の苦情が必ず何件もでた、それがここ2年
ほどの間に全く無くなってしまった。
私は自然淘汰されて猫がいなくなったと思っていたが、あとで
地域猫活動をされているボランティアの存在を知って、本当に
ありがたく思った。


今は飼い主不明猫であっても即殺処分するような時代ではない。
猫が好きな人も嫌いな人も、飼い主不明猫をなくしたいという
思いは同じで、不妊手術をしたうえで最低限の管理をして短い
命を全うさせる「地域ねこ」活動が一番良い削減方法であると
思うし、国も推奨している。


飼い主不明猫だから即殺処分とか飢えて衰弱死させればいいと
いう考え方は文化国家にふさわしくない。